暗渠管
水とくらし
浄水場で使われる暗渠管ミツバ・ドレンの効果
水道の水がおいしい日本の水質管理技術は、世界でもトップクラスです。日本の水質を管理している浄水場は、水質管理技術の結晶ともいえます。そんな浄水場で、実は暗渠管が活躍しているのをご存じでしょうか。
今回は、浄水場で活躍している暗渠管についてご紹介します。
目次
浄水場は水道水を作る施設
浄水場は水をきれいにして水道水を作るための施設です。川から取り入れた水には、泥や砂などの小さな汚れが混ざっているため、そのままでは飲むことができません。水の中の汚れを取り除いたり、消毒したりしてようやく飲むことができます。
▼浄水場の仕組みを詳しく解説した記事はこちら
汚泥を乾燥させる天日乾燥床
浄水場には水をきれいにするための施設がいくつもあります。
その一つが天日乾燥床(てんぴかんそうしょう)です。天日乾燥床は、濃縮槽で濃縮された泥を受け入れて自然乾燥させる施設です。乾燥した泥は、セメントの材料やグラウンド・庭園の土などにして再利用されます。また、天日乾燥床を浸透した水は排水池に送られます。
汚泥の乾燥方法には、天日乾燥方式の他に機械脱水方式があります。
天日乾燥方式
太陽の光や熱、自然の風などを利用して汚泥を脱水・乾燥させます。自然のエネルギーを利用するため経済的で、環境にもやさしいです。
機械脱水方式
機械を使用して汚泥を脱水・乾燥させます。多くの電気を使用するためコストがかかります。そのため、汚泥の乾燥に天日乾燥方式を導入している浄水場が多いです。
天日乾燥床で活躍する暗渠管
天日乾燥床は、乾燥に要する時間が季節や天候に左右されるため、汚泥を早く乾かすことが効率化のポイントとなります。汚泥の乾燥を促進させる役割の暗渠管は、天日乾燥床の路床に1~2m間隔で配置され、周りには砕石、さらにその上に川砂などが敷設されています。
様々な種類がある暗渠管ですが、ミツバ・ドレンは集排水性、耐目詰まり性に優れており、全国各地の天日乾燥床で採用されています。
天日乾燥床で暗渠管の性能を比較してみた
千葉県東金市の東金浄水場で行った、暗渠管の集排水性能を比較した実験をご紹介します。
実験期間 | 1988~1989年 |
実験内容 | ミツバ・ドレンと有孔管の汚泥乾燥状態を経過日数で比較 |
敷設情報 | ミツバ・ドレンφ100 1mピッチで敷設。フィルター材は単粒6号砕石を使用。 |
実験結果 | 有孔管を使用したプールと比較して、ミツバ・ドレンを設置したプールでは、搬出までの期間が2ヶ月以上短縮され、排水性能において明らかな差が確認されました。 |
施工の様子 |
天日乾燥床へ汚泥投入、その後の様子
13号床(ミツバ・ドレン) | 2号床(有孔管) | |
投入20日後 | ||
投入36日後 | ||
投入64日後 | ||
投入83日後 |
含水率の推移とスラッジ高さの変化
▼含水率の推移
▼スラッジ高さ変化
※ スラッジ高さとは?
スラッジとは、浄水処理過程で発生する沈殿物、汚泥のことです。
スラッジ高さとは、沈殿槽や濃縮槽に貯まったスラッジの高さのことです。処理能力や処理効率を把握する指標として用いられます。
世界の浄水場で活躍するミツバ・ドレン
2017年に日本のODA(政府開発援助)でバングラデシュの浄水場にミツバ・ドレンが採用され、地元の建設会社に納品させていただきました。
まとめ
今回は、浄水場の天日乾燥床で活躍する暗渠管ミツバ・ドレンについてご紹介しました。
ミツバ・ドレンは、一般家庭のお庭から大規模造成工事や災害復旧工事まで、幅広くご利用いただいています。
ニホン・ドレン株式会社では、暗渠管ミツバ・ドレンの他にも様々な水抜き材の製造・販売を行っています。
ご興味やご相談のある方は、ぜひお問い合わせください。