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水害が起こりやすい場所は?水害を減らす家造りや水害対策も紹介
近年、梅雨や台風などの影響による大雨により、水害が多く発生しています。
家を新築したり買ったりする際には、事前にその地域の水害リスクについて知っておきたいものです。
この記事では、水害が発生しやすい場所や水害被害を軽減させる家造り、自分でできる水害対策などについてご紹介します。
目次
水害の被害が発生しやすい場所とは?
まず、水害には、被害を受けやすい立地があります。
以下のような立地は、特に水害被害を受けるリスクが高いといえるでしょう。
近くに海や川がある場所
大波が押し寄せて津波となったり、川が氾濫して洪水となったりすることから、近くに海や川があると水害の発生リスクが高くなることは想像しやすいのではないでしょうか。
海や川の近くは、大雨の際に河川の増水や海の高潮などの影響を受けやすい場所です。また、地盤が弱い可能性もあるため、古地図や旧地名を調べるなどして、地盤の強さを確認しておきましょう。
例え海や川が近くても、高い土地や堤防があれば、水害被害をそこまで恐れなくて良い場合もあります。ハザードマップで水害リスクを確認することが重要です。
周辺よりも低くなっている場所
土地の高さが周囲よりも低いと、水害発生時に水が流れ込んでくる可能性が高くなり、被害が大きくなりやすいといえます。地図を見て、その場所は海抜がどのくらいなのかを確認しておきましょう。
丘の上など高い場所にある土地は水害被害のリスクが少ないですが、丘の中腹に建てられている家屋などは、切土(きりど)の上に盛土(もりど)を行って建てられている場合があります。そのような場所は、大雨が降ると盛土が流され、土砂崩れが発生する可能性もあるため、注意しなければなりません。
埋立地
人工的に埋め立てられた土地は、地盤が緩くなります。特に、海や川、湖などの水辺が埋め立てられた場所は、地中に水分を多く含んでいるため地盤は弱くなる傾向にあります。
また、以前田んぼだった場所が埋め立てられた場所は、周囲より低くなっていることが多くなります。そのため、水害発生時には浸水リスクが高まるため、注意が必要です。
埋立地は一見他の土地と変わらないため、外見だけではわかりません。古地図や旧地名などから、その土地の履歴を調べることでわかるでしょう。
水害リスクを知るために、その地域のハザードマップを確認しよう
その地域の水害リスクを調べたいのであれば、ハザードマップで確認してみましょう。水害に関するハザードマップとして、「洪水ハザードマップ」や「高潮ハザードマップ」などを制作している自治体もあります。
ハザードマップを確認してから、その場所にある土地や家屋の購入を検討したり、海が近い場合には建築方法を考慮するといった対策を講じたりしておきましょう。ハザードマップは「ハザードマップポータルサイト」で、調べたい場所を入力すれば閲覧できます。
水害被害を軽減させる家造り
水害の被害を避ける家を造るためには、発生すると被害の拡大を招く、「床上浸水」を防止することが大切です。
以下の4つの方法を取り入れると、万が一水害が発生した際も、家の被害を軽減できるでしょう。
土地をかさ上げする(盛土)
かさ上げ(盛土)することで、敷地を少し高くする方法です。
敷地に土を盛ってあらかじめ地表面を高くしてから、その上に家を建てます。数十cm程度の盛土でも、膝くらいまでの浸水であれば被害を防げるでしょう。
ただし、盛土は費用のかかる工事である上、工事申請の必要や高さ制限がある場合もあるため、よく調べてから行わなくてはいけません。
床を高くする
1階の基礎部分を高くする方法です。
1階部分を駐車場にして2階を生活拠点とするピロティ構造や、基礎部分を高くして1階の床面自体を高くする構造などが、実施例として挙げられます。
1階をピロティ構造にする方法は、水害発生時に1階部分は浸水する前提で、2階の居室部分を守るように設計されています。
ピロティ構造は河川の氾濫など水害被害には強いものの、地震や風などの水平方向の負荷には弱いため、さまざまな災害の被害リスクをよく考慮して採用しましょう。
防水性の塀で囲む
一般的な家屋ではあまり実例を見ることはありませんが、防水性の塀で家を囲むという方法もあります。
設計で家の入口や駐車場が低くなっている場合などには、防水性の塀で囲うことで敷地内に水を入れないようにすると良いでしょう。
地域によっては、工事のための補助金が出ることもあるので、実施前に確認しておいてください。
防水性のある外壁にする
耐水性のある外壁を設けて、水位が上昇した水位が上昇した際も居住空間には被害が及ばないようにする対策のことを「建物防水」といいます。
防水塗料を外壁に塗布したり、1階の外壁をRC造にしたりする、といった方法が考えられます。
水害が起きた際には、玄関から浸水しないよう、止水板をあてがっておくことも忘れてはいけません。
防水性を維持するためにはメンテナンスが必要なので、そのためのコストはかかりますが、建物自体の耐久性も増強できます。
出典:国土交通省「水害対策を考える」
自分でできる、自宅の水害への対策
いくら水害対策を考えた家を建てても、いざ水害が発生した際には被害を受けないか心配なものです。
また、すでに水害の被害リスクがある場所に家を建ててしまった方もいるでしょう。
そんな際に、自分でできる自宅を守るための水害対策をご紹介します。
屋根や外壁は定期的にメンテナンスする
屋根や外壁に亀裂やひび割れなどがあると、そこから雨水が染み込み、雨漏りする原因になってしまいます。
定期的に業者を呼ぶなどしてメンテナンスを行い、屋根や外壁の劣化を防ぐことが重要です。
また、窓ガラスや天窓の劣化により雨漏りする場合も多いので、日頃から併せて確認しておきましょう。
下水道の側溝や雨水枡を清掃する
側溝や雨水枡(うすいます)は定期的に掃除をしないと、落葉や土、ごみなどで詰まってしまいます。
側溝や雨水枡が塞がれていると、水が流れず敷地や道路が冠水する恐れがあるため、日頃から清掃を行いましょう。
すぐに使えるよう土のうを準備しておく
昔ながらの方法ですが、水の侵入口を土のうで塞ぐことは、水害被害を食い止める手段として有効です。
ホームセンターで土のう袋を購入して土を詰めても良いですし、面倒であれば完成品の土のうを購入すると良いでしょう。ブルーシートを併用することで、より止水効果が高まります。
水が侵入しやすい玄関やガレージ、排水溝などの前に並べて、浸水を防ぎます。
土のうを保管する場所がない場合には、水で膨らむ給水式の土のう袋がおすすめです。
出典:国土交通省「家庭で役立つ防災」
まとめ
水害の被害が発生しやすい場所や水害被害を軽減させる家造り、自分でできる水害への備えなどをご紹介しました。
近年、日本では異常気象などにより集中豪雨や台風被害が増加し、水害発生リスクは高まっています。水害被害のリスクを考えながら生活することが、身を守る上で安全といえるでしょう。
家の排水を促す暗渠排水管や雨水浸透枡の設置工事は、弊社「ニホン・ドレン」でも対応可能なので、お気軽にご相談ください。