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節水と災害への備えを両立! 雨水タンク設置のメリットやデメリット、選び方
雨どいに取水口を取り付け、流れ込んでくる雨水を集める「雨水タンク」。近年では設置すると助成金がもらえる自治体も増え、家庭用雨水タンクを取り付ける方も増えてきました。この記事では、雨水タンクにどのような役割やメリットやデメリットがあり、どのように選べばよいかなどについて詳しくご紹介します。
目次
家庭用雨水タンクとは
家庭用雨水タンクはどのような役割をはたし、どのように取り付ければよいのでしょうか。設置する上でのメリットやデメリットをよく確認した上で、設置した方がよいか検討するようにしましょう。
雨水タンクの役割
家庭で使われる雨水タンクは、家の雨どいから流れ込んできた雨水を、設置した容器内に溜めるシステム。
溜まった雨水の主な用途としては、家庭菜園やガーデニングなどの散水です。塩素を含まないため水道水よりも木や草に優しいとされています。最近では、家庭用の高圧洗浄機械の低価格化により、自動車洗浄用に使われることも増えてきました。災害で断水になった際は、トイレなどに使う非常時用水にもなり得るので安心ですね。
自分で取り付ける必要がある
家庭用の雨水タンクは、自分で雨どいを切って設置するタイプがほとんど。雨どいを切るのは結構大変そうに思えますが、実際にやってみると意外と簡単です。しかし、もし自分で取り付けられるのか心配なら、ホームセンターなどでは有料設置サービスを行っている店舗もあります。
雨水タンクを取り付けるメリット
メリット①水道代を節約できる
家庭で雨水タンクを有効活用すると、年間5,000円から20,000円ほどの節水効果を期待できるといわれています。
メリット②水道のない場所で水を使える
洗車や家庭菜園の水やりなど多くの水が必要な際に、水道からホースが届かないような場所でも、タンクを運搬して水を使うことができます。
メリット③災害のときにも安心
断水時にトイレの流し水として代用したり、火災発生時に消化用水としたりと、災害が発生した場合の備えにもなります。
雨水タンクを取り付けるデメリット
デメリット①メンテナンスが必要
屋外ということもあり、家庭用タンクはコケやボウフラなどが発生してしまう場合があります。定期的にタンク内の水を抜き、清掃するようにしましょう。
デメリット②スペースが必要
家庭用の雨水タンクでも、それなりの大きさがあります。もし家庭菜園に設置すると、その分栽培スペースが少なくなります。大きめのタンクを置けば場所を取るだけでなく、見栄えが悪くなってしまうでしょう。
デメリット③水の使用用途が限られる
溜めた水は雨水なので飲用水には使えず、ガーデニングや洗車などの限られた用途でしか使えません。
家庭用雨水タンクの選び方
ひと口に家庭用雨水タンクといっても、サイズや機能、デザインまで、多くのものがあります。どのようなポイントで選べばよいのかご説明します。
1.容量(サイズ)を決める
設置スペースや用途によって、雨水タンクのサイズを選ぶようにしましょう。
- 80〜150L:家庭菜園やガーデニングに使用するならおすすめ。サイズもコンパクトなので、設置スペースもあまりとりません。
- 200~300L:災害時の備えとして使用するなら、家庭用雨水タンクとしてスタンダードなこのサイズを。
2.集水器の有無をチェック
雨どいに取り付けて雨水を集め、タンクに効率よく水を流し込むパーツのことを集水器といいます。ほとんどの雨水タンクに標準装備されていますが別売りのモデルもあるので、自宅の雨どいのサイズや形状と一致するかも、あわせてチェックしておくとよいでしょう。
3.オーバーフロー時の対策
メーカーや機種によって、雨水タンクが満杯になった場合のオーバーフロー対策はさまざま。溢れた分は雨どいに戻しそのまま流すというものが一般的で、このタイプであれば雨量の多い季節でも水が溢れることなく安心です。このほか、満杯になると、雨水タンク上部に設置された口から自動で排水されるタイプもあります。
4.庭に馴染むデザインで選ぶ
雨水タンクはプラスチック製が多いですが、中には木製や陶器製などエクステリアのアクセントになるタイプも。プラスチック製であっても石積みを模したタイプや、庭のグリーンに溶け込むようなカラーのものもあるので、設置しても違和感ないデザインなのかも見ておきましょう。
5.ドレン口があれば手入れが簡単
雨水タンクにフィルターがあれば大きなゴミは取り除けますが、砂などの細かいゴミはどうしても入ってしまいます。そのため使用している間に、雨水タンクの底に細かいゴミが堆積することに。これをすくい出すのは大変なので、堆積した砂などを排出するためのドレン口がタンクの下部に付いているタイプだと、掃除も簡単になりおすすめです。
補助金を使ってお得に雨水タンクを設置しよう!
雨水タンクの利用促進を図るため、雨水タンクの設置に助成金制度を設けている自治体は多いです。対象商品や助成内容、申請方法は各自治体により異なりますが、設置にかかった費用の半額、もしくは2/3が補助される場合が多いようです。設置する前に、自分の住んでいる自治体に助成金制度がないか調べてみるとよいでしょう。
たとえば、以下は世田谷区の助成金制度です。
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kurashi/005/003/004/d00032894.html
助成対象となる雨水タンク
- 屋根に降った雨水を一時貯留するもの
- 市販されているもの
助成額
- 本体購入費、設置経費のそれぞれ2分の1の額(100円未満切捨て)
- 上記をあわせた助成金の雨水タンク1基当たりについて、上限額は35,000円(ただし、設置経費の上限額は5,000円)
- 同一申請者に対する年度内の助成金の上限額は、140,000円。
まとめ
今回は、家庭用雨水タンクの役割や設置方法、設置することでのメリットやデメリット、導入にあたっての選び方をご紹介しました。節水ができたり災害への備えになったりと良い面もあるのですが、それなりの大きさはありますし1度置いてしまうとなかなか簡単に外したりするのも難しいです。使用する目的や用途をよく考えて、あなたのお家にあった雨水タンクを選ぶようにしましょう。