導水樋
導水樋(どうすいとい)とは?
導水樋とは、トンネル・地下構造物・建築物などの目地やクラックからの漏水を排水する設備です。
漏水はコンクリート壁や周りが腐食する原因となり、構造物はどんどん老朽化していきます。また、水漏れで湿っていると、カビやバクテリアが繁殖してカビ臭くなり、居住環境の衛生面にも影響を及ぼします。寒冷地ではツララが発生し、事故の原因にもなります。
そういった課題を解決するために導水樋が使われます。
目次
導水樋の仕組みと種類
導水樋は構造物の目地やクラックから漏水を捕集し、設計された経路に沿って水を誘導し、適切な排水場所へ排出します。これにより、漏水やはく落を防ぎ、構造物への悪影響を防止します。
導水樋には大きく線導水樋と面導水樋に分けられます。難燃性のプラスチックや不燃性のアルミなど、現場環境に応じて選定できます。
線導水樋
目地部やシンプルなクラックからの漏水対策として優れています。
面導水樋
複雑なクラックなどの広範囲な漏水の対策に優れています。
導水樋の歴史
導水樋の歴史について、詳細に書かれた文献はありません。
1951年に農業用ビニールフィルムや硬質塩化ビニル管など、続々と塩ビ製品の工業化が始まり、
1972年頃にトンネルで合成樹脂製の導水樋が使用されました。
現在ではさまざまな形状、材質の導水樋が開発されていますが、構造物の長寿命化、安全なくらしのために更なる開発や取組みが必要となります。
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止水と導水の違いとは?
止水とは、水の出を止めること。導水とは、水を導いて流すこと。
漏水はヒビが入った場所や継目から発生します。
現場にあわせて、止水するか、導水するかを選択しますが、止水の場合、水は他の部分へ向かったり、止水部分に水圧がかかってさらに危険な状態になったりする場合があります。止水と導水をうまく活用して、自然に発生する漏水は、自然に導くことが大切です。
導水樋に必要な機能とは?
導水樋を設置したとき、設置面との間に隙間を発生させないことが非常に大切です。
また、長期間にわたって機能を維持させるためには以下の点が大事になります。
- 寒い地域でも簡単に割れない強度であること
- コンクリートに侵されない耐アルカリ性であること
- 耐薬品性に優れていること
- 設置面に均等に力が加わる構造であること
トンネルをはじめ、様々な場所に使用される導水樋の性能を最大限に引き出し、設置環境に適応するためにはこれらの要素は不可欠な要素です。
▼地下鉄構内に取り付けた線導水樋
さまざまな導水樋の用途先
導水樋は次のような場所で使用されています。
- 一般道、高速道路、JR、地下鉄などのトンネル
- 橋梁、橋脚
- 共同溝、地下駐車場、地下街
- 防波堤 etc
ニホン・ドレンの導水樋も、上記のようなさまざまな場所で使用されています。
導水樋の施工事例一覧はこちら
【動画】トンネルの漏水を防ぐ、導水樋の設置例
中でも、トンネルの水漏れ対策には導水樋の設置が最適です。
トンネル内での漏水は構造物の劣化や安全性に影響を与える重大な問題です。その解決策として、アーチ型の導水樋(アーチ・ドレン)が活用されています。アーチ・ドレンは、漏水を効率よく集めて排水する構造を持ち、耐久性や設置の簡便さが特徴です。
アーチ・ドレンの製品ページはこちら
漏水対策には導水樋を使用し、適切な設置をすることで長期間にわたってトンネルの耐久性と機能性を保つことが可能です。
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