防災

台風とは?風の強さによる被害の見通しや備え方

台風 備え

 

毎年、梅雨時から秋口まで発生する、台風。日本だけでなく、北半球を中心に夏から秋にかけて発生し、各地に被害を与えています。この記事では、台風について進路の決まり方や風の強さによる被害は変わり方、接近してきた際の備え方などをご紹介いたします。

 

 

目次

     

     

     

    台風とは大型の熱帯低気圧のこと

    台風 備え

     

    熱帯の海上で発生する「熱帯低気圧」の中で、北西太平洋または南シナ海にあり、低気圧域内の最大風速がおよそ17 m/s(34ノット、風力8)以上のものが「台風」と呼ばれます。

    台風は、低緯度では東風を受けるため西に移動しますが、高緯度では西風(偏西風)を受けるため北東に進むというように、上空の風や気圧配置の影響を受けて動いています。

     

    気象庁は、毎年1月1日から数えて最も早く発生した台風を第1号とし、それ以降台風の発生順に番号を付けています。なお、1度発生した台風が衰えて熱帯低気圧になった後、再び発達して台風になった場合にも、同じ番号を付けているのだそうです。

     

    ここからは、接近してきたときに覚えておくと良い、台風の特徴をいくつかご紹介します。

     

     

    台風から離れた場所でも、豪雨に見舞われて水害が発生する場合がある

    梅雨の時期などは台風が前線に影響を与えるため、台風から距離がある場所でも集中豪雨が発生し、河川の氾濫や土砂崩れなどの水害が起こる可能性もあります。

     

    日本は他国と比べ急勾配な山々が多いので川の流れが早く、大雨が降ると氾濫し土砂崩れなどの二次災害の危険性も高まりやすいため、注意するようにしましょう。

     

     

    動きが不安定で、進路が予測できない台風もある

    7〜8月は上空の風が弱いため、その時期に発生する台風は気圧状況によって動きが不安定になり、進路を予測しづらい場合があります。

     

     

    台風の勢力が強いと、高潮が発生する可能性もある

    台風の接近により気圧が低くなると、吸い上げ効果により、海面は台風に向かって上昇していきます。その後、強い風が沖から海岸に向かって吹くと、吹き寄せ効果によりさらに海岸付近の海面が上昇し、高潮が発生する可能性があるので注意しましょう。

     

     

     

    台風の風と被害の大きさ

    台風の接近に伴い、強風が吹くとさまざまな被害が発生する恐れがあります。台風の風の強さに伴い、以下のように発生する被害の大きさは変わります。

     

     

    平均風速15~30m/s:強い風

    台風 備え台風 備え

    出典:気象庁「風の強さと吹き方

     

    人は風に向かって歩けず、一部転倒する人もいます。街では電線が音を立て始め、看板やトタン板が外れ始めます。車は強風に流される感覚が大きくなる。家屋は屋根瓦や屋根葺材が剥がれ始め、シャッターが揺れ出します。

     

     

    平均風速20~30m/s:非常に強い風

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    出典:気象庁「風の強さと吹き方

     

    人は何かにつかまらないと立てなくなります。街では細い木の幹が折れ、倒れ始めます。看板は落下し、飛散します。車を通常の速度で運転することが困難といえるでしょう。家屋は、固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれてしまいます。

     

     

     

    平均風速30m/s以上:猛烈な風

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    出典:気象庁「風の強さと吹き方

     

    人が屋外で行動することは、非常に危険です。街では、樹木や電柱、街灯が倒れ、ブロック壁が倒壊します。走行中のトラックが横転してしまいます。家屋は金属屋根の葺材が広い範囲で剥がれるほか、木造住宅が倒壊し始めたり、鉄骨構造物が変形したりする場合も出てくるでしょう。

     

     

     

    接近前に行いたい台風に対する4つの備え

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    台風が接近する前に十分に対策をしておくことで、被害を未然に防げる可能性が高まります。心がけたい台風への備えをチェックしていきましょう。

     

     

    1.  家の外の対策を行う

    窓を閉めるだけでなく、雨戸もあれば閉めておきましょう。家の周りの側溝や排水溝の詰まりを取り除き、水はけを良くします。室外に植木鉢などの風で飛ばされそうなものがあれば、家の中に入れておきます。

     

     

    2. 家の中の対策を行う

    窓ガラスに飛散防止フィルムやテープを貼るなど、家の中からできる安全対策を行います。

    懐中電灯やレトルト食品といった、非常用の道具や食品をまとめて準備しておくほか、断水に備えて飲料水・生活用水を確保しましょう。

     

     

    3. 避難情報を確認する

    地域で避難場所として指定されている場所とともに避難経路も確認するほか、家族で避難する場所や連絡方法などを話し合っておきましょう。気象台が発表する「台風情報」や「警報・注意報」などで、最新の情報を入手できるようにします。

     

     

    4. 不要な外出を控え、危険な場所には近づかない

    大雨で増水した小川や側溝の境界がわかりにくくなることで転落する危険性があるほか、雨により地盤が緩むことで山崩れやがけ崩れも発生しやすくなります。また、海上も台風の風の影響を受けて波が高くなり、氾濫したり波にさらわれたりする可能性も高まります。

     

    このような危険な場所へは、事故を防ぐためにもなるべく近づかないようにするほか、不要不急の外出も控えるようにしてください。

     

     

     

    まとめ

    台風 備え

     

    台風は大雨や強風を伴うため、海や河川の氾濫、土砂崩れなどの被害が発生する恐れがあります。どれほどの大きさの台風だとどのような被害があるのかを予測し、被害を未然に防ぐよう十分に備えておきましょう。